【ボードゲームを作る人】かどたとし

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こんにちは、sangenyaメンバーとして『富士山地下99階』『ABCダンジョン』を制作・販売したかどたです。

実は自分自身のことを発信するのは苦手で、Twitterにも詳しいプロフィールを今まで出してきませんでした。でも、今年から新たにボードゲームを一緒に作ってくれるメンバーを募集するにあたり、僕個人のことを知ってもらえた方がいいと思い、まとめてみることにしました。

【プロフィール】
・年齢:1980年生まれ
・家族:妻、息子2人(6歳、4歳)
・職業:IT系の一人会社

大阪在住の40代、どこにでもいる男性です。今でこそ、四六時中ボードゲームを作ることを考えている僕ですが、今に至るまでには人生色々ありました。

【小学生時代】祖母の家がボードゲームのふるさと

・小学校低学年(1987-1989年)

僕のボードゲーム作りのルーツは、小学校時代の祖母の家にあります。
学校が終わったら父が経営するお店でもあったその家に帰るのが大好きでした。

なぜなら、そこにはアナログゲームがいっぱい置いてあったからです。(モノポリー、花札、プラパズル箱入り娘ダイヤモンドゲームなど色々なセットが入ったものなど)
ルールがわからないながらに眺めたり、家族でプレイしたり。ひんぱんにアナログゲームに触れていた記憶が今も残っています。

・小学校高学年(1990-1992年)

▶テーブルトークRPGとの出会い

従兄に『RPGリプレイ ロードス島戦記』を勧められてからテーブルトークRPGというものを知り、『ソード・ワールド』の世界観にハマりました。テーブルトークRPGには「ゲームマスター(GM)」と呼ばれる重要な役割があります。簡単に言えば人狼の司会のような役回りなのですが、ゲームの資料準備、進行、演出など全てを行う大変な立場で、誰かがこれを務めなければゲームプレイができません。

僕は友達を集めて自分がGMになって遊んでいました。しかし、やはり小学生の身ではこなすことが難しく、次第にそのシステムを転用したオリジナルゲーム作りをするようになっていきました。

▶小学生で作ったアナログゲーム3作品

⑴信長の野望風国盗りゲーム

ソード・ワールドの戦闘システムを使ったこのゲームは、この頃の集大成のゲームでした。
友達5人ぐらいを集めて遊びましたが・・・なんとプレイ時間が3時間以上という重量級ゲーム。ゴリゴリのマルチゲームで、別プレイヤーへの直接攻撃あり、脱落ありという、まぁ今考えるとクソゲーでした。

⑵トレーディングカード風ゲーム

キャラクターカードをそれぞれ自作、手札から1枚だけ出して対戦するカードゲームでした。戦略はないもののパラメーターの振り方で相性が変わり、ジャンケンのように勝ち負けが決まるゲームなので、子どもながらに作る面白さを味わえました。シンプルな良ゲーだったので、そのうちリメイクしたいと思っています。

⑶モンスターメーカー風ゲーム

1988年に発売されたカードゲーム『モンスターメーカー』を参考にしたゲームも作りました。
現在発売されているモンスターメーカーはこちら

【中高〜社会人時代】音楽にハマりボードゲームを忘れる

2007年4月 当時住んでいた防音部屋付きの賃貸

・中学、高校、社会人(1993-2002年)

中学に入ってギターを始めました。それからというものすっかり音楽に傾倒してしまい、デジタルゲームはそれなりにやっていましたが、ボードゲームは全くプレイしなくなりました。

・22歳、『カタン』との出会う(2002年)

インターネット上で、デジタルの『カタン』に出会います。カタンといえば今でこそボードゲームの名作という認識ですが、当時はボードゲームと思っておらず、他のボードゲームに興味が広がることはありませんでした。

・25歳、ドイツゲームと出会う(2005年)

小学校の頃ボードゲームで一緒に遊んでいた友人の友人が本場ドイツのゲームをいくつも所有していました。『カルカソンヌ』『ブラフ』『あやつり人形』など、ドイツ年間ゲーム大賞を受賞するような有名どころをプレイしました。その中でも衝撃を受けたのが、粘土を使ったゲーム『バルバロッサ』でした。

事前に粘土細工を作ってそれが一体何なのかを紙に書いておき、他の人に当ててもらうというゲームです。

最初に当てられても減点 、 最後まで当てられなくても減点というルールで、それだけ聞くと「何それ?」と思うのですが・・・やってみるとこれがなかなか面白い。

この頃デジタルゲームばかりやっていた自分には、コミュニケーションが主軸のゲームは新鮮で、今まで使ったことがない脳みそを使っている感覚があって興奮したのを覚えています。

ただ、この頃は本格的に音楽で食っていこうと思っていたので、皆が集まったときにたまに遊ぶくらい。のめり込むほどにはなりませんでした。

【起業時代】経営に追われる日々の中で募るゲーム作りへの思い

2013年3月 ゲームマーケット2013大阪 (今回、改めてこの写真を見たら「みさき工房」さんのブースが写ってました。この頃から活動しているのは本当にすごいです! )

・29歳、音楽の道を諦めて起業する(2009年)

この決断についても起業当初の出来事についても、いろいろありました。
今回はボードゲームとの関わりについてなので、また別の機会があればその時に語ろうと思います。

・30-31歳、『ドミニオン』と出会う(2010-2011年)

この前年、『ドミニオン』と出会って、ボードゲームを見る目が一層変わりました。それまではどちらかというとデジタルゲーム派でしたが、この出会いを期に自分でボードゲームを買うようになりました。

ただこの頃は、起業したてで仕事にのめり込んでいたので、ボードゲームを遊ぶのは年に数回という程度でした。

・32歳、ゲームマーケット大阪に初めてユーザーとして参加する(2012年)

ボードゲームは企業が作るものと思っていた僕が、このゲームマーケット参加で初めて個人でもボードゲームが作れるんだということを知りました。

すっかり忘れていたゲーム作りのワクワクを20年ぶりに思い出した僕は、早速ゲーム制作に挑戦しました。
でも、この頃は仕事が苦しい時で継続することが難しく、完成までは至れませんでした。

会社で社員とアルバイト数人を抱えていたのですが、取引先がお金を支払ってくれず(現在も未回収)
給与を払うために借金をし、合計400万円ほどになっていました。

・32-33歳、借金返済に追われる日々(2012-2013年)

この数年間は借金を返すために働く、辛い時期でした。馬車馬のように必死で働く日々に血尿も出たりで、マジで地獄でした。

ただ、2012年からゲームマーケット大阪には毎年かかさず行っており、「ゲームを作りたい!」という欲求だけが溜まっていきました。

【経営×ゲーム作り】ボードゲーム作りがライフワークに

・36-37歳、デジタルゲームを自作する(2016-2017年)

ようやく仕事が落ち着いてきて、再びゲームの自作に乗り出しました。最初に手を出したのはボードゲームではなく、デジタルゲーム。そのきっかけは誰も倒さなくていいRPG『Undertale』との出会いでした。

Undertaleは必ずしもバトルでモンスターを倒す必要がないゲームシステムを搭載しており、全てのエンディングを迎えた僕は非常に感動し、このゲームのことをネットですぐに検索しました(ネタバレ厳禁のゲームなので未プレイの方は検索しないほうがいいです)。

すると、このゲームは開発経験がほとんど無い一人の開発者が作った、という情報が目に飛び込んできました。

これがすごい衝撃で、自分一人でもゲームを作れるかも知れないという欲求と、 何で今まで何もしてこなかったんだという後悔が生まれました。

今このときこそがチャンスなんだと思い、試してみたのがゲーム開発ツール『Unity』です。

実はこれ以前にも別のツールでデジタルのゲーム開発に挑戦したことがあったのですが、その時は非常に難しく、挫折していました。けれど、Unityは非常に簡単で、昔見ていた光景との違いを感じました。

▶Unityで作成した『クッキークリッカー』的ミニゲーム

プチプチを潰していくと『クッキークリッカー』みたいに成長し、潰せる量が爆発的に増えていくというクソゲー。

2ヶ月ほど頑張って作ったのですが、ゲーム内容を考えることよりもプログラミングの時間の方が長くかかってしまうことが嫌になり、結局作り続けることができませんでした。

・38歳、ボードゲームを作り始める(2018年)

ゲームマーケット2019春

こうした流れの中で、「ボードゲームならプログラミングの時間も必要ないし、ゲームの内容を考えることを続ければ、ゲームを完成させられるのでは?」とボードゲームの事を思い出しました。

(実際やってみると、テストプレイ、デザイン、印刷、コマやカードの発注、それらを1セットにする丁合などめちゃくちゃ大変なのですが、この時はつゆ知らず)

ちょうどメンバーも集まり、作ったチームが『sangenya』です。
最初はゲーム作りもまったくうまくいかず、何度も新しく作り直してはぶち壊すというのを繰り返して、完成の気配がありませんでした。それもゲームマーケットの出展に申し込んでからは、目標ができたおかげで少し妥協も覚えて、なんとか第一作『富士山地下99階』を完成させることができました。

・39歳-41歳、ボードゲームを作ることが生活の一部になる(2019-2021年)

寝る前、風呂、トイレ、ちょっとした時間でも頭が動いていたらゲームを考えることができるようになりました。これが自分にはめちゃくちゃマッチしていて、幸福度が1段上がりました。

特に寝付けない夜はネガティブな反芻思考をしてしまう事が多かったのですが、ゲームを考えることでそれが減りました。

面白いボードゲームを作る適性が自分にあるかは分かりません。でも、ボードゲーム作りは自分にいい影響があるので一生続けていけると確信しています。

【これからのかどたとし】もっとボードゲームを作り続けたい

2021年末をもって、ボードゲーム制作チーム『sangenya』は活動を休止しました。
それは、これから僕がもっともっとボードゲームを作っていきたいからこその決断です。

2022年、僕は新たな仲間を募集しています。これからもボードゲームを作り続けていくために。

こんな僕と「ちょっとゲームや話をしてみようかな」と思ってくださった方がいたらうれしいです。ボードゲーム作りについてはもちろん、ここに名前を挙げたゲームについてでもなんでも、質問や気になることがあればコメントやTwitterへのメッセージをお気軽に送ってください。

最後までお読みくださり本当にありがとうございます。
ボードゲームを作る人・かどたとしをどうぞこれからもよろしくお願いします!

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